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実体なき【経皮毒】の傲慢と欺瞞

こんにちは。 多くのゲストの方々から更新頻度の怠慢についてたくさんのご指摘をいただきましたので、がんばって早めの更新です(笑) さて今回は、正しいシャンプーの選択基準について多少なりともレクチャーできればと思っていたのですが、いまだに何かと話題にあがる【経皮毒】についてゲストの方々から質問されることが多いので僕なりの見解を少しばかりお話しておきたいと思います。 まず【経皮毒】って何??って方に簡単に説明します。 通常、皮膚は角質と呼ばれる表皮細胞の残骸で覆われ、これが外部からの有害物質に対し侵入を防ぐためのバリアとなります。 しかし親油性(化合物などが、油や非極性溶媒に溶けやすい性質)を持つ物質などに対しては、このバリアはあまり機能しないため、皮膚から吸収されやすくなります。 この性質を悪論にすり替えたのが、2005年に竹内 久★司なる医療関係者によって提唱された【経皮毒】です。 この方は【日用品と呼ばれるもの(例えばシャンプー)の多くには微量の有害物質(ラウリル硫酸Naという合成界面活性剤など)が含まれており、それらが皮膚から吸収され体内に蓄積されることによって喘息や癌やアトピーの原因になる。】 というかなり恐ろしい定義をつけています。 これだけ聞いたら、ゾっとして何も使えなくなりそうです。 たしかに、この物質自体(ラウリル硫酸Na)は高濃度では毒性がありますが、もちろん一般的に使われている濃度では無害です。そうでなければ、大手のメーカーに使用許可など認められるはずもありません。 やがて【皮膚から吸収され、リンパ管にたどり着いた物質は、代謝されずに体内にとどまる】 という(真面目な医学関係者の多くに嘲笑された)インチキな理論に基づいて【経皮毒】は様々な商品に姿を変えました。 それでもNW社の商品を筆頭に、ものすごい勢いで広まりつつあった都市伝説のようなインチキ医学もNW社の業務停止処分によっていくらか沈静しつつあるようですが、困ったことに、いまだに多くの【経皮毒】信者は高額な商品を売りつけるため、実体のないネットワークビジネスに勤しんでおられるようです。 以下は、【経皮毒】関係者である、某大学教授の講演内容を抜粋したものです。 【気管支喘息や狭心症の治療薬に使用される貼付薬は、経皮吸収製剤である。薬物がリンパ・毛細血管を通して全身にまわることによって患部に到達し、効果を発揮する。内服薬は肝臓の解毒作用によって80〜90%が分解される。しかし貼付薬は、リンパ管ルートが肝臓による代謝を受けないため少量でも確実な効果が得られ、消化器官への副作用が少なくて済む。一方で、細胞組織や臓器に化学物質が蓄積していく。】 つまり要約すると、皮膚を経由した物質は、リンパや毛細血管を通るので、肝臓による代謝を受けず、細胞組織や臓器に化学物質が蓄積していくという理屈です。 もっともらしいですね。何も知らない人が聞けば、すんなりと信じ込んでしまうでしょう。

しかもこれは事実です。 たしかに、リンパ管ルートを辿った物質は肝臓による代謝を受けません。 しかし、肝心なのは【リンパ管ルート自体は肝臓による代謝を受けないが、やがて静脈に吸収され肝臓での代謝を受け、腎臓から排泄されることになる。】というもうひとつ先の事実です。 あえてこの事実を隠すことによってインチキな医学論である【経皮毒】はさらにその乱暴な妄信性を、より強力で確実なものに変えてしまうのです。 某女性シンガーの「子宮が腐る」発言の発端は、この【経皮毒】論からきているらしいのですが、この発言をきっかけに、多くの見識的な医学関係者がワイドショーなどで猛否定したのをご覧になった方も多いと思います。 脳が腐る、奇形児が産まれる、内臓が臭う・・・。

思いもよらずに耳にした【情報】はその内容がネガティブであれば、あるほどそれを聞いた人に大きなインパクトを残します。ゆえに、~は駄目!って専門家(インチキですが)に言われれば、真実はとても見えづらくなってしまいます。 何が良いのか?何が悪いのか? それを見極めるのが、本当に難しい時代になってきました。 以前、記したM★Dなんかもそうですが、騙されないようにするためには、常に物事を追求するしか 手立てはありません。 僕ら(美容師)の仕事は、技術職に他なりませんが、一連の施術は、それらを上手に【できるか?できないか?】ではありません。 この仕事の絶対的にブレてはいけない本質。 それは、【知っているか?知らないでいるか?】或いは【知ろうとするか?知らないまま済ませるか?】だと思います。 誠実であることは、決して難しいことではないんですけどね。 ともあれ、ちゃんと【知っている】美容室であり続けるため、僕も更なる精進を重ねてまいります! では、Be Strut!!!

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